保育案内

保育の特色

水・砂・泥

こどもは水遊びが大好きです。母親の羊水の中で10ヶ月の間、全身で水を感じていくように当園でも水遊びを大切に考えています。小さいときにこの水刺激を皮膚からたっぷり受けたこどもは、生きる力を支配している自律神経がたくましく育つといわれています。

水に触れて親しんでいた0~1歳ころ、そして年齢が高くなると砂・土にも関心をもちはじめ、次第に水と砂をまぜて遊ぶようになります。このことは進化の中で人間が土に水をひいて作物をつくり、土をこねて器をつくった歴史をこどもたちがたどっているともいえるでしょう。

砂も土も水を加え自分で創造したり変化させたりできる教材です。当園では「創造する」ということを大切に、おもちゃも既製の物をなるべく使わずに遊べるよう工夫しています。

乳幼児期に水・砂・泥遊びが思う存分できるように保障しています。

戸外・園外保育

天気の良い日は戸外で遊ぶことを大切にしています。外気に触れ、太陽・緑に包まれ全身を使って遊ばせています。

園庭で遊ぶほかにも近隣へ散歩に行きますが、当園周辺の環境は交通量が多く自然がほとんどない状態で、どこへ行くにもアスファルトの道が続いています。

本来「人間は自然の中で育つ」ものです。自然の中での活動や動植物との関わりを保障するために、当園ではタクシーや公共交通機関・貸切バスなどを利用して自然を求めて園外保育を多く取り組んでいます。園外保育は年齢やその年々のこどもの状態を考慮して計画しています。

リズム

脳中枢の発達は6歳までに大人の90%に達するといわれています。そのため感覚神経と各運動神経を充分動かし、身体の隅々まで使いきる生活が乳幼児期にはとても重要です。保育園ではこのような生活を保障するため、遊びと共にリズム運動を重視しています。

こどもたちの身体が環境などの悪化により、ひ弱になってきているといわれていますが、この運動はこどもの発達は人類の進化と同じ道をたどるという考えをもとに、斎藤公子氏が研究・発展させたリズム運動です。これに学んで当園では日常的にリズム運動を行っています。寝返り・ずり這い・四つ這い、そして二足歩行になり、駆けたり・跳んだりできるようになる発達を親しみある動物などに見立てて楽しみながら動きます。この自ら動こうとする力発達を促し、弱さのあるこどももリズム運動を続けるなかで弱さを克服していけると捉えています。

リズムは足の親指の蹴りをしっかり使えるよう裸足で行いますが、園内は弾力性に富んだ檜の床のため、乳幼児の柔らかい身体にも負担をかけずに思う存分リズム運動ができます。

舎の特長

床はすべて檜(ひのき)

木材の中でも最も高級とされている檜を園舎すべての床に使用しています。檜はとても柔らかく暖かみがあり、消毒効果もあると言われています。園舎は鉄筋コンクリート造りですが、コンクリート面より15cm空間を空けて床材を張っていますので、素足で生活するこどもたちには最適です。こどもたちには「最高の物を」という私たち大人の思いを形にしました。0歳児室の沐浴場も檜風呂です。

窓は大きく

こどもたちが気持ち良く生活できるように窓を大きくしています。開放的に外に出られるように、1階の保育室はどの部屋にもベランダを設けています。

走り回れる廊下

2階は吹き抜け部分を囲むように壁を透明にし、1階を見下ろすことができるようにしています。2階の廊下はこどもたちがぐるぐると走り回ることができるように設計しました。

たくさんのプール

簡易プールを夏には4ヶ所に設置し、北海道の短い夏を充分に水遊びが出来るように配慮しています。特に2階のベランダのプールはウッドフェンスに花が飾られ、とても素敵な空間になっています。

どこでも水・砂・泥

園庭には3ヶ所に水道を設け16個の蛇口があります。また当園の園庭の砂は海砂なので水によく馴染み、手触りもサラサラと気持ちの良いものです。こどもたちはどこでも水を出し砂をまぜ泥遊びができます。

食について

当園では保育の一環として「食欲は生命欲」と捉え食べる事を大切にしています。一年を通して季節を感じられる食材(和食中心)で野菜を多く取り入れ、薄味(素材の持ち味を生かして味覚を育てる)を心掛けています。

主食は3歳児以上も「温かいご飯を」という父母の皆さんからの希望もあり完全給食を実施しております(本来は3歳児以上は主食は家庭から持ってくることになっています。)。

離乳食の時から野菜中心でこどもが持ちやすい形にして自ら食べるという意欲を育てています。

食べ物だけでなく食器も白磁で安全性が高く適度に重みがあり丈夫な物を使用しています。

特に秋の味覚祭りでは鮭を一匹丸ごとさばくところをこどもたちに見せてからチャンチャン焼きにしたり、肉・野菜などを炭焼きして全員そろって園庭で食べます。

このような食生活を重ねる中で卒園期には何でもおいしく食べられるようになっていきます。食文化を身につけ、大人になっても生きる力として食べることを大切にできる人間に育ってほしいと考えて実践しています。

文化について

乳幼児期はからだづくりが基本で食べる・寝る・遊ぶを中心に生活していますが、その中で食文化や遊びの文化などこどもたちに伝えたい文化はたくさんあります。

五感(触覚・味覚・視覚・聴覚・嗅覚)が育ち、快・不快の気持ちが発達する乳幼児期は石油製品ではなく木製の玩具・質の良い物に触れさせるのも文化と捉えています。 本物に触れるということで演奏家を園に招きこどもの目の前で演奏してもらったり、年長児は演劇鑑賞に出掛けることもあります。年長の後半になると、園長や担任は人間の生き方を伝えたいという願いをもって優れた文学作品を語り聞かせしたり、園外保育や合宿を通してこころもからだもたくましい人間に育つよう実践しています。

私たちは人間の命を守ることを文化と受けとめ、こどもが人と寄り添い合って自立して生きていく力を育てることが、人間の土台をつくる乳幼児期には大切なことだと考えています。昨今のこどもの発達を無視した早期教育におどらされることなく、文字や算数は学校に入学して先生から教わることを楽しみに、二度とない大切なこども時代には<自分の身体で実体験すること>を充分保障することこそが保育園の役割だと考えています。